事業承継の勉強会開催しました!継がせたい?継ぎたい?そもそもの「事業」から考える事業承継

モノづくり系の中小企業の経営者が中心のとある会で勉強会をしてきました。

テーマは「事業承継」

事業承継は積極的に取り掛かりたいテーマで、具体的には承継時の株式の譲渡等に関する税務上の処理だけでなく、むしろ「事業承継する事業そのもののありかたや、誰に、いつ、どんな形で承継するのか、後継者のバックアップ体制はどう取った方がいいのか」といった内容にしました。

というのも、事業承継で税理士が関与するのは、税金に絡むところが中心となりますが、私はその局面だけでなく、誰に、いつ、どのような形で承継するのか、事業をどのようにしていくのかのコンサルを私はしたいと考えています。

そういった想いがあるため、今回の勉強会でもただ単に事業承継における手法や税の話ではなく、事業そのものについてや後継者選びから後継者のバックアップ体制について話をさせていただきました。

Contents

事業承継についての考え

事業承継がテーマですが、事業承継は後継者へ継ぐタイミングだけの話ではなく、だれに継いでもらうかを考える後継者選びから、後継者の育成、承継時の古参幹部の処遇等を考えると、5~10年の時間軸で考えないといけない出来事です。

また「事業に成功して50点、承継に成功して100点」という言葉もあるぐらいで、経営者として事業に成功するだけでなく承継をきちんと成功させてこそ、真の経営者となると。
一代だけ良くてもだめで、後世に受け継がれて繁栄していくべきものであるため、いかに承継をうまくできるかが、永続的な企業をつくる上で大切となります。

また中小企業では親から子への承継が多いですが、そもそも継ぎたい事業をしているのか、継がせたい事業をしているのかに焦点をあてて、「事業」というものを前半で考えていただきました。

後半は「承継」についてで、後継者選び、それぞれのメリットデメリット、後継者の育成や後継者をバックアップする人材について、話をさせていただきました。

事業承継に関して認識はあるが、準備できている会社は少ない

2017年10月の日本経済新聞に「大廃業時代の足音 中小「後継未定」127万社」という見出しとともに、後継者不足の会社が多く、このままでは多くの会社が後継者不足を理由に廃業しないければならないことへ警笛を鳴らしています。

127万社。
この数字は今後10年間で経営者が70歳(経営者の平均引退年齢が70歳)を超える会社が245万社ありますがその約半分となります。また日本企業全体の3分の1に該当する会社数となります。
野放しできない数の会社が後継者問題に苦慮しています。中には堅調な業績を上げる続ける会社もあり、国としてもこのまま放置してしまうと国力を失う原因となることから、税務面等でバックアップしようとしています。

いつから考え出すのか

これまでに関与させていただいた会社を見ても十分に準備している会社は少ないのが現状です。
目の前の業務が忙しくてそれどころじゃないとか、まだまだ現役で行きたいという気持ちは理解できますが、ここ近年「終活」という言葉も一般的になってきているように、事業の引継ぎについても浸透してほしいです。私も関与する先々で言ってますし今後も言うつもりです。

冒頭にも書きましたが承継の準備としては5年~10年の準備期間が必要だと考えています。

息子に継がせる場合を例にとって、育成のモデルケースを考えてみました。

30代後半~40代前半に代表取締役社長に就任するケース

年齢 配属
他社で3年程度修行(自社より一回り大きい会社へ)
25歳 営業部に配属(2~3年)
27歳 営業課長に就任(3~4年)
30歳 社長室長に就任(2年)
32歳 取締役部門長に就任(3~4年)
35歳 部門担当の常務に就任(3~4年)
38歳 専務に就任(2~3年)
40歳 社長に就任

 

税務面でもバックアップ

今後5年以内に承継計画を提出し、10年以内に実際に承継を行う事業承継を対象とし以下のような制度になります。
・後継者が売却・廃業を行った際、その時点での株価を基に納税額を計算し、減免可能
・対象株式数の上限を撤廃(株式数の2/3が上限だったものが100%となった)、また納税猶予割合も100%へ(従前は80%)
・平均雇用8割を満たせなかった場合でも猶予継続を可能に
・複数の株主から複数の後継者への事業承継についても対象者を拡大

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【編集後記】

昨日電車に乗っていると、袴姿の人たちをみました。大学の卒業式だと思います。
大学を卒業してから一回りも経っていると思うとぞっとしますが、それより季節の移り変わりの早さにもびっくりしますね。

だんだん暖かい日も増えてきて一気に春に向かっている気がします。その分花粉が…ですが。

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